杉本光洋
【ウニと西山先輩とアオハルの碧い海】
2023.08.30
今回も西谷先輩との思い出話を少し、よく考えたらこの頃
↓↓ではぞうぞ!!↓↓
ザザーッ
波の音が聴こえる。
潮風が髪をなびかせる
ここは漁港。
それは僕が入学して間もない頃の話。
僕が過ごしていた場所はオタルという土地に近い、ワインや宇宙事業関係で有名な場所だった。
この頃の僕は、ハリセンボンの様に心を大きく見せて、来るものを拒むトゲトゲの様な心をしていた
まさに盗んだバ◯クで走り初めそうな人間だった。
そして、さまざまな理由から親元を離れ、その漁港に近い所に暮らしていた。
僕はこの頃学校が終わる度に
海に行っては、何をするわけでもなくズーーっと海の彼方を眺めていた。
「自分は何の為に生まれて、なんの為に生きているのか?」
答えのない答えを海に問いかけていたのだ。
しかし、そんな僕の「自分の世界」を全力でぶち壊すヤツがいる。
そう、「西山先輩」である!!
西山先輩『フォーーー!!』
自転車で近づいてくる先輩。
僕『……えっと、黄昏てるんで、邪魔しないでもらってイイッスかね?』
西山先輩『何言ってるんだい~お杉ちゃん!考えるだけ無駄だよ!!』
僕『なんで?俺の事、、何にも知らないくせに』
西山先輩『何の為に生まれて、何のために生きているのか、そんなんなんて誰にも分からないさー。でもそれを長い年月かけて理解する。その為の人生、、なんだべや。』
僕『……。』
西山先輩『それよりも旨いもの食べて笑顔になろうぜ!ハラ減ってたらイライラもする。ハラへってないか?』
そういっておもむろに持っていたモリで漁港の岸壁をツツキ始めた。
※※注意-漁港は人の土地ですので無許可でのこの行動は密漁になります。ご注意下さい!※※
西山先輩『ほれ』
僕『‥なんスか、このハリセンボンみたいなの。』
西山先輩『ハリセンボン(笑)ウニだよ、刺身しか見た事ないのか、俺んチの漁港に自生してるんだ。』そう言ってもう1つ取る。
『西山海産物より、産地直送!』
そう言って手際よくウニを割る。
西山先輩『捨てられたワケじゃあない、いらないワケじゃない。だから生きていていいじゃないか。俺たち、、友がいるんだから。』
僕『……。』
僕『………この、ウニ、、醤油かかってないのに塩っぽい、、しょっぱいよ、、。』
西山先輩『(ニコッ)ウチの漁港で獲れる物は何でも、うまいんだよ!』
西山先輩『さぁ、帰ろう。』
そうゆって彼はいつも僕の「自分の世界」を壊していくのだ。
この日、先輩を背にして見た海は
とても青く、春の紺碧の空のような
とても美しい碧だった。 -完-