杉本光洋
【西山先輩の怖い話】第一夜 タクシー女性を乗せる
2023.08.12
バンッッ!!
「お杉~いるかー!」
寺岡「うわっ、びっくりした。。」
吉田「まじか~」
乱暴に僕の部屋のドアを開ける音が室内に反響する。
西山先輩だ。
僕「…‥ドアを開ける時くらいノックとか、したらどうですかねぇ?」
イラッとした僕は、嫌みったらしく西山先輩の目をガン見しながら言った。
西山先輩「まぁまぁ、そうイライラしなさんな。暇だろうなと思ってたから遊びに来てあげたんだヨ~。」
僕「え?この状況を見て暇とか言えます??失礼ですが、貴殿のお目めは節穴でございますか?脳ミソおるすですか???」
時刻は22時。
僕たちは夏休みを有意義に過ごすため
最短で夏休みの宿題を終わらせようと
同級生の寺岡、吉田と共に
宿題消化に勤しんでいたのだ。
西山先輩「んんー、まぁ聞きたまえ。そう、例えるなら俺はラジヲ(radio←とても良い発音で)だ。君たちの耳心地の良い事を話す。」
僕「ほおぅ~、そのradioさんはどんな耳心地のよい事を聞かせてくれるんですか?」
寺岡「宿題の効率が良くなる歌とか?」
吉田「あー。漫談ってのも面白いかもね」
西山先輩「(ニヤリ)ぉおっしいねー!
吉田くん!!そう、これから話すのは漫談、、、ではなく怪談なのだよ!
ステアス(階段)でもなくミーティング(会談)でもなく純粋なホラー。
そう怪談さ。フッ。」
僕「えっと、帰ってくれますかね。」
間
西山先輩「…ん?」
間
僕「‥え?」
西山先輩「杉ちゃんさー、
先輩が折角部屋まで遊びに来てるんだからさ
もうちょっと愛想良くしようよぉー
頼むよぉーホントに。」
僕「なんでだよ!あんたが宿題やってる所邪魔にしに来たんでしょうが!自分の宿題終わらせてないのに遊びに来ないで下さい!!」
西山先輩「一人で宿題やってたら孤独だったんだよー、寂しいよー、しゃべらせてよー
そう!俺はお喋り大好き!」
寺岡・吉田「知らねーわ!(笑)」
西山先輩「でさ、階段話なんだけどね。
タクシードライバーの話で
こんなのがあって、
人気の無い所でいきなり現れた
落ち込んでいる感じの女性を乗せたんだって。
しかも子連れで。。」
僕「あっ、それで目的地についたら
お金を家に取ってくるって言って
家に入ったら出て来ないやつでしょ?
(笑)今更の古典怪談かよ。」
西山先輩「落ちを先に言うなーーー!!!ぶっ◯ろ✕!!」
何故かオクトパスホールドを食らう僕「グギギッ」
西山先輩「この話には深い深い追記があるのだよ!」
ここから長い夜が始まった。
つづく。